日本においては、IT業界のシステムエンジニアの数は100万人ほどだといわれている。IT人材白書と呼ばれる資料では、調査できた数だけで80万人ほどになっているのがその証拠だ。80万人というのは補足できた人材のみの数であって、相当数の補足不可能なフリーランスがいることを鑑みて、およそ100万人程度だと考えるのが一般的になっている。全体でこの人数になるわけであって、もちろん1つ1つのジャンルの職種に限ればさらに少なくなって当然だろう。
金融系システムエンジニアと細かく限定をしてしまえば、その数はわずか数万人であっても何らおかしくはない。厳密に数字が出ているわけではないが、金融系システムエンジニアは、日本全体を見回しても相当に少ないと考えるのが自然だろう。なぜなら、非常にハイレベルなスキルとコミュニケーション能力を持った人しか就くことができない職業だからである。金融機関はたいていが大手になるため採用を勝ち取るハードルは非常に高く、一握りの人しか仕事に就けないのが現状だ。
外資系の企業も多く、英語能力まで求められる場合もあるだろう。システムエンジニアの中でも特に優秀な人にしか務まらない職種であって、一種の憧れ的な存在にまでなっている。10人に1人、こうしたプロフェッショナルがいるとは考えにくいため、数万人という予測を立てることができるわけだ。IT先進国だといわれているアメリカと比較すると、3分の1程度しかいない可能性は高い。