最も忙しい時期とは

金融系のシステムの開発作業の忙しさは、他のWebアプリケーション開発と同等だ。要件定義や外部設計など上流工程の作業はさほど忙しくないが、コーディングやテストなど下流工程に進むほど忙しくなる。また、金融関係者は癖が強い人が多いので打ち合わせのスケジュール調整などが難しく、開発期間によっては上流工程での作業から忙しくなる場合があるので注意が必要だろう。
システム開発は忙しくないが、そのシステムの開発が終わって導入しようとするときは一転して忙しくなる。導入までの期間が十分に確保されていないにも関わらず、顧客の都合に合わせて業務終了後の締め処理を確認したり、旧来のシステムと並行稼動して2重にシステムの確認作業をしたり必要があるのだ。この時期はタイトなタイムスケジュールに沿ったオペレーションが要求される。
金融系システムエンジニアで忙しさを感じるのは開発するときではなく、本格的に導入した後だ。ホームページやATMシステムなど開発するシステムは全て24時間稼働することを前提にしているため、そこにトラブルが生じて使えなくなるとすぐに対応することが求められる。深夜だろうが休日だろうが、年末年始だろうが関係なくすぐに修復する必要があるのだ。業界特有のトラブル対処の細かさゆえ、システムにトラブルができるとその原因や対応方法、対策を事細かにレポートにまとめて報告しなくてはならない。そのため、このときだけは忙しいと強く感じるようになる。